なお君のこと
10.01.31先日テレビに出ました。
人気番組だったようで、色々な方から
「テレビ見たよ!」
と声をかけて頂きました。
一番うれしかったのが、
医者になって初めて担当させて頂いた患者様、
なお君のご家族から十数年ぶりに連絡を頂いたことでした。
私をテレビを見て、
クリニックを調べて電話してくれました。
なお君と出会ったとき、彼は12歳。
悪性腫瘍で大学病院に入院していました。
私は大学を卒業して医者になったばかり。
医者と言っても何もできず、
なお君やご家族には本当にたくさん、ご迷惑をおかけしたと思います。
なお君は、子供らしい素直な部分がありながら、
びっくりする位、大人びた面も同居している子でした。
周りで闘病中の友人が亡くなったりするのを目の当たりにして
死に対する恐怖心は強かったと思いますが、
私には最期まで、そのそぶりを見せることはありませんでした。
なお君がなくなる数ヶ月前に、
お母様が妊娠していることが分かりました。
男の子だと知ると、お母様にポツリと
「○○(自分の名前)ってつけても良いよ」
私はそれを横で聞いて、
「あぁ、なお君は自分の病状のことを一言も聞かないけど、
自分の運命を悟っているんだな」
と切なくなりました。
病院のベッドであまり動くこともできませんから、
手先の器用な彼は、ビーズで色々な物を作って私にくれました。
それは、今でも私の宝物です。
なお君が好きなカニを食べに連れて行って頂いたことなども
大切な思い出です。
出会ってから2年足らずで彼は亡くなり、
私はその後、沢山の患者様と出会いましたが、
なお君が特別な存在であることは
今までも、これからもずっと変わりません。
思いがけないことがきっかけで
懐かしい声を聞くことができました。
久しぶりに電話でお話しながら、
私もお母様も、当時を思い出してちょっと涙声になってしまいました。
当時のお母様が今の私と同じ位の年だったことも知って、
どんなにしんどかっただろう、
と改めて思いました。
またいつか、お会いしましょう!
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