マグノリア皮膚科クリニックには
別のクリニックで入れたヒアルロン酸の補正を
希望される患者様が毎日のようにいらっしゃいます。
先日いらっしゃった患者様は
数年前に大手の美容クリニックで
1,000円というビックリするような低価格で
ヒアルロン酸を注射してもらったそうです。
1,000円ではもちろん製剤代にもなりません。
注入に使う鈍針（カニューレ）が1本購入出来る程度の値段。
一体、どんな製剤を使ったのでしょうか。
ヒアルロン酸注入の経験の浅い医師の
練習のための価格設定なのでしょうが、
いずれにしても、まともな価格ではありません。
問題の仕上がりは
ヒアルロン酸を浅く注射してしまったことで
青みがかった水っぽい膨らみを形成する
『チンダル減少』を起こしていました。
更に、鼻の横あたりに多く入れ過ぎたために
目元がモタついた不自然な印象になっていました。
ヒアルロン酸は1年位で分解・吸収されてなくなる、
と言われますが、
硬い製剤を皮膚の浅い層に注入した場合は話が別です。
浅い層は血流が少ないので、かなり長い間、なくなりません。
10年以上前に入れた製剤がまだ不自然に残っている例も
見たことがあります。
こういう状態になってしまったら
溶かした方が良い、ということになりますが、
場合によってはヒアルロン酸を溶かす薬が使えないこともあります。
ヒアルロン酸を溶かす製剤『ヒアルロニダーゼ』は
アレルギーを起こすことがあり、
場合によってはアナフィラキシーという強いアレルギー反応を
引き起こすこともあるので、
治療の前に必ずアレルギー検査をします。
これでアレルギー反応がプラスに出たら、
ヒアルロニダーゼが使えないのです。
先日も、何年かぶりに来て下さった
とっても美人の患者さまが
別のクリニックでヒアルロン酸を入れてしまっていて
それが不自然なので溶かしたかったのですが、
ヒアルロン酸溶解剤にアレルギー反応が出たので
結局、溶かすことができませんでした。
ヒアルロン酸注射をお考えの方は
安い値段に飛びつくのではなく、
じっくりと選んでからにしてください。
失敗すると、数年、悩むことになりかねません。
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